シングルダイナミックドライバの問題点

2020年6月27日土曜日

雑記

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ダイナミックドライバーの問題点


ダイナミックドライバを1つだけ搭載した標準的なイヤホン。
その測定データを公開されていたソノベさんというサイトがあります(リンク参照)。
ソノベさんが測定されている中で抱いておられた疑問、それがダイナミックドライバには6kHz付近にピークが現れることでした。


考察ではドライバ自体の共振によるピークであると結論づけられておられて、多分それは正しいと思います。
これは現代の1DDのイヤホンでも改善されていない様子で、測定サイトさんのグラフなどをみていると散見されます。


以下は私の環境で測定したEA-HF1のグラフ。
典型的な1DDのイヤホンです。




2.5kHzのピークは多分ですがハーマンターゲットに即したフラットのための味付けだと思います。

10kHz帯のピークはこれは両端閉管の共振なので振動板と鼓膜の距離によって変化します。

問題は6kHzのピークでこれはソノベさんによれば振動板自体の共振で制御不能?です。



次は1DDですが6kHz辺りの共振がないE3000。



共振はないですがその代わりに高音の量感が非常に落ち込んでいます。

・1DDは6kHz付近にピークが出来る
・しかし6kHzを制御すると高音が落ち込む

と言えるのかもしれません。
つまり1DD+高音を補うユニットは非常に理に叶った構成といえるのでは?


まとめ


以上から1DDのみで構成すると6kHz帯がきついシャリ気味のイヤホンか、高音をバッサリと切り落としたイヤホンにしかなりえないのではないのでは?


このグラフを見ても分かる通りA8000程物量をつぎ込んでもこの特徴は変わることないので、本当にどうしようもないのかもしれませんね。

EX1000などもこの辺りのピークがひどく、なんとかならないかソノベさんも試行錯誤されておられたのを思い出します。
他ですとAcoustuneさんの1DDイヤホンなどもこのピークを抱えている様に思います。


ただ最近計測したEX90にはこのピークがありませんでした。



半開放型という構造をとると共振が起こらないのかもしれません。
HA-FW10000などもほぼ開放型といえる構造なので、このピークがないのが高音質につながっているのかもしれませんね。
問題としては低音の量感と音漏れと遮音性が絶望的なのでかなり特殊用途になってしまうところでしょうか。







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