YAMAHA HPH-MT8のレビュー

2020年3月6日金曜日

YAMAHA HPH-MT8

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特徴







YAMAHAのモニターヘッドホンといえばHPH-MT220をご存知の方も多いでしょう。
所有者からの評価がとても高く私も興味だけは持っていました。
ただ重量が415gもあるのがネックで、肩がこりそうなので購入候補からは外しているうちに生産終了に。

その後継機であるHPH-MT8。
これも350gとこれはこれで重そうなので見送っていたのですが、ヤマハのロゴに惹かれて購入してしまいました。
輝く音叉3本のシンボルは初代の心意気を未だに引き継ぐ誇りを感じます。


見た目はヤマハのロゴを大胆に配置した以外はシンプルで剛健なデザイン。
どんなシーンでも違和感ないヘッドホンらしいヘッドホンです。

350gの重量は装着感の良さのおかげでほとんど気になりません。
これより軽いMDR-Z7M2よりも軽量に感じる程です。
やはり左右のハウジングが重すぎなければそこまで問題にならないのでしょう。

リケーブル可能で付属は1.2mのカールケーブルと3mのストレートケーブル。
私は3mのストレートケーブルのほうが気に入っています。
接続端子は独特なのであまり互換性は高く無い、というかほぼ無いと思います。

モニター用ヘッドホンによくある折りたたみ可能な形状。
コンパクトに出来るためにかばんなどに入れて持ち歩きやすいです。

イヤーパッドもサイズ感が良く、MDR-Z1000よりも大型で装着感も良いです。
多くの人にフィットしやすいデザインだと思います。


音質






音質は意外にも高音寄りのフラットバランスです。
中音はフラットで低音もとりたてて強調されることがなく、そこはモニターらしいと言えると思います。

特徴的なのは高音域で弦楽器の響きやハイハットが強調されているように感じます。
録音の粗が見やすいのでそこはモニター的と言えるかもしれませんが、この高音の響きは機材と録音が良くないと破綻して聞こえる諸刃の剣です。

経験上高音重視のヘッドホンはまともな評価をしてもらえない可能性が高いのがネック。
IER-Z1Rなども高音域がポータブル機器ではまともに出ないので低音重視に聞こえてしまうことが多いようです。


全体としての音の破綻はほぼなく、再生機と楽曲を選べば素晴らしい音質のヘッドホン。
特にスネアドラムの響きは一聴の価値があります。

ただどんな音でも丸めて聞きやすくする方向の音ではないので低い評価をされる可能性も否めないかもしれません。
まさに頑固な職人のような音質のヘッドホンだと感じます。


個人的な感覚上の音圧


重低音 ☆☆★
低音  ☆☆☆
中音  ☆☆☆
中高音 ☆☆☆☆
高音  ☆☆☆☆★


使用機器 :HAP-S1・NW-A55・SCD-XA777ESなど
参考にさせていただいたブログ:https://revisionhouse.jp/best-monitorheadphones/


まとめ


利点
  • ヤマハロゴの存在感
  • 高音の量感 明瞭な音質
  • ポータブル性能の高さ
  • 本体の剛健さ

微妙点
  • 若干の重さ
  • 音楽用としては低域が薄め

正直なところ2万ぐらいで買えるヘッドホンとしてイチオシ。
明瞭な音質は刺さる人も多いのではと思います。
音以外にもケレン味のない実直な設計は個人的には感動すら覚えました。


音楽用としては低音域がもう少し量感があると楽しく聞けるかもしれません。
サブウーファーの無い良く出来たブックシェルフ型のような音質です。

モニター用としては高音域が強めなことを意識して使ったほうが良いかもしれませんね。
MT8に合わせると若干高音がナローな仕上がりになりそう?

そういえば以前に購入したMDR-M1STの真逆のような音質に感じます。
あれは低音がリッチで高音がかなり落ち込んだ音でした。
個人的にはM1STに比べればHPH-MT8のほうが好みです。


「自分は品物を販売するに掛引をせぬ。生産費を控除して代価を定め決して暴利を貪らぬ、而して品質に対しては絶対的責任を負ぶるを信条として、社会の信用を博する覚悟である」山葉寅楠

創始者 山葉寅楠の高い志を製品から感じられるヘッドホン。
機会があれば是非一度試聴してみて頂きたい製品です。


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