EAH-AZ80について
その後に発売されたEAH-AZ60はなぜかナンバリングが落ちていて振動板も8mmバイオセルロースに変更。
AZ60は間違いなく素晴らしい出来で私も使用していましたが、愛好家を完全に納得させるにはまだやれることがあるかといえばあるモデルでした。
そして2023年の初夏、満を持して発売されたフラグシップEAH-AZ80。
あらゆる面が磨き上げられ、振動板もEAH-TZ700という有線の高級モデルのアルミニウム10mm振動板が使用されたナンバリングアップの正当上位機種です。
私はAZ60の出来の良さからTechnicsの新ワイヤレスイヤホンだけは絶対に予約して買うと決意していたので事前予約で購入。
そして遂に手元に届きましたので軽く第一印象を書いておきたいと思います。
ファーストインプレッション
普通のカナルイヤホンと異なり、イヤーピースだけでなく耳甲介に本体を乗せることによって重さを分散するコンチャフィットという新たな構造を使用しているようです。
この効果は個人的には絶大で今までのどのイヤホンよりも長時間使用しても疲れがないように感じます。
もちろん個人差が大きい話なので、耳甲介にイヤホンが乗らなかったりイヤーピースの固定がうまくいかない人はイマイチかも知れません。
ですが装着感自体はサイズに見合わず非常に良いと思います。
音質
イコライザではなくアナログ的手法でイヤホンの音質を調整するという、王道の音質調整を行ったいぶし銀の職人音質。
一朝一夕でこの音を実現することは難しいと思います。
良い音・フラットな音というのは個人差があるのですが、絶対的に嫌われるのは”明瞭ではない”という一点だと思います。
これにおいてAZ80は本当に慎重に調整されていて、まずまず誰が聴いても明瞭な音質に感じるのではないかと。
低音もクアルコムチップの強調された音質ではなく自然な音色で、必要十分に音圧が出ています。
もし足りない場合はダイレクトでなくバスエンハンサーを使うのも手。
また詳しくは周波数特性のグラフを元に考察したいと思います。
後にもメモしてありますが、ノイズキャンセル・アンビエントをオフにすると若干音質の変化があるのも試していただきたい。
ノイズキャンセル・アンビエント
ノイズキャンセルはAZ60より確実に進歩していて十分に静寂。
特に中高音が強化されたとアナウンスされていて確かに実感でもその様感じれるかと。
ただし最高峰のAirPodsPro2に比べればまだ後一歩ではあります。
アンビエントはAZ60では正直会話が難しいレベルに響かない音でした。
AZ80は設定で取り込み音量を100にすれば日常会話程度なら問題無いレベルまで進化。
ただしAirPodsPro2には勝負を挑んではいけない(AirPodsが凄すぎるだけです)。
その他
通信強度や安定性も確実にAZ60からアップしていて下手をすればTWSでも最高峰レベルなのではと思います。
タッチの反応や専用アプリの操作感も本当に低遅延で素晴らしく練り込まれていると思います。
まとめ
AZ60からするとあらゆる面が進化していて正にフラグシップの風格。
本当に丁寧に今までのTWSの不満点・欠点をすくい上げて昇華されていると感嘆するばかりです。
コンチャフィットの装着感と電波強度を維持するためにこのサイズが必要なら小型化もこの程度で良いのではないかとすら思います。
まだAirPodsProには及ばない面もありこれがオンリーワンの最高峰機種とまでは流石にここでは明言しません。
まだ見ぬEAH-AZ90に最大限の期待をさせていただきましょう。
ただすでに音質に関しては有線を超えたというのもうなずける部分があります。
そしてEAH-AZ80を開発してくれたTechnicsさんには最大の賛辞でファーストインプレッションとさせていただきます。
音質はまた別記事でレビューさせていたきますので是非。
メモ1
初期設定では設定されていませんが、このイヤホンにはノイズキャンセルもアンビエントもOFFにするモードが設定できます。
設定の外音コントロールの操作設定から外音コントロールのオフに✅を入れてください。
音質が割と変わるのでお試しを。
メモ2
初期設定ではこのイヤホンはLDACはOFFになっています。
接続設定のヘッドホンのLDACをONにしてください。
メモ3
個人的にはこのイヤホンのイヤーピースには専用フィルターが付属しているのでできればそのまま純正品を使用するのが良いと思います。
またイヤピの音質の変化などもレビューしてみたいと思っています。
メモ4
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非常に共感できるインプレッション記事で楽しく拝読させていただきました。
返信削除ANC ON/OFFでの音質変化については私も体感として感じていて (中低音より下が引っ込む?)、周波数特性測定値を用いた考察楽しみにしております。個人的にOFFの音質が好みなので、ANC ONにする際はEQで気持ち低音を持ち上げて運用しています (EQをいじったときの測定値もあると面白そうですね)
レビューを書くと言っておきながら全然更新せず申し訳ない限りです…
返信削除OFF時の音質の変化はどちらかというとグラフ上では中音域の変化が大きいように見えますが、どちらが良いかは好みといえますねー
雑音が多い場所では気持ちどんしゃりなONの音質のほうが良いように感じられますし適材適所というやつかもしれません