Sennheiser HD599のレビュー

2021年2月27日土曜日

Sennheiser HD599 レビュー

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特徴




ゼンハイザーの500シリーズヘッドホンの最上位機のHD599。

数字的にこれより上の500シリーズは出せないのではないかと心配になりますが、そこはHD599MK2という手があるのでとりあえず大丈夫でしょう。


プリンの愛称で知られたHD598から若干落ち着いた色味になった本機。

カラーリングが気に入らなければAmazon限定でブラックモデルも購入出来るようです。

どちらにしてもシックな色合いとデザインになっています。



装着感は特筆する程に良く、本体の軽量さと相まって長時間の使用に耐えます。

ハウジングが開放された形状のため熱もこもりにくく、夏場でも空調を使えば快適に使えそう。

但しオープンエアの特性上、遮音性と音漏れだけは絶望的です。



付属品は1.2mの3.5mmプラグケーブルと、3mの6.3mmプラグケーブルに6.3→3.5mm変換プラグ。

必要なケーブルが2本付属しているのは使用する人のシチュエーションをよく想定していると思います。



国内正規の2年保証も付属するので購入するなら新品をオススメします。

できれば値段にこだわらず信頼のあるショップさんから買うのが良いでしょう。



音質


基本言葉だけでこのヘッドホンの音質を伝えるなら一言でドンシャリ気味の音質です。

個人的な聴覚上の音質はこんな感じ。



重低音 ☆☆★

低音  ☆☆☆★

中音  ☆☆☆

中高音 ☆☆☆☆

高音  ☆☆☆




ここからは裏付けの微妙な個人の考察になります。



まず初めにこれだけは理解しておかねばならないのは、オープンエア型の時点で空調などの生活音のノイズを直に受けることです。

それに加えて基本重低音は弱く、響く低音というより弾むような低音を聞くことになります。

これは高級機であっても全く変わらないので、開放型ヘッドホンを使用するなら極力静かな環境で使用するのが望ましいでしょう。



特徴として、密閉されていないので当然なのですが、スピーカーや自然音と同じ外耳道での共振が発生するためナチュラルな中高音を再生出来ます。


但し、音の発生源がスピーカーに比べて耳に至近なので、普通にフラットな3kHzを再生すると確実に共振が大きくなりすぎてしまいます。

かなり精密なディップの調整が必要で、一概に片側閉管共振が発生するので自然な高音質ともいい難いとは思います。



一応チープな環境ですが外耳道を加味しない状態のHD599のグラフを。

今回はグラフが安定せずSMOOTHINGを少しかけています。






4〜9kHzにかけて弱いピークと100Hz辺りに弱めのピーク感のあるドンシャリ傾向。
全体的には大きすぎるピーク・ディップもなくフラット気味で良質な音質だと思います。


ただこのグラフには出ていませんが、これに加えて自身の耳道による片側閉管共振が3kHz辺りに発生していると思います。
外耳道を25〜30mmと仮定すると3.4kHz〜2.8kHzの範囲にピークがあると予想。


実際自分の耳で聞いた感じでも中高音はこのようなフラットな特性ではなく、多少の音圧をもって響きます。
グラフのように3kHzに小さいディップがあるような音質では全くありません(むしろ音圧が強く感じます)。


参考:


まとめ


良い点

  • オーソドックスで軽量
  • 装着感と放熱性
  • 自然な中高音・高音


イマイチな点

  • 遮音性・音漏れ
  • 重低音の量感


とにかくヘッドホンで装着の快適性を求めるならHD599は良い選択です。
個人的には300g以上の重量を持ったヘッドホンは長時間使用できないので選択肢に入りません。


音質も空調などが直接聞こえてしまうのを除けば、万人に受けの良い音質だと思います。
音の自然さ・定位感というものに関しては密閉型より良好かもしれません。

ただ低音の量感や遮音性を重視するならばやはり密閉型の出番だとは思います。


上位機種が4万であることを考えるとその値段に見合わない高性能だと個人的には思います。
Amazonで定期的に安売りされたりもされるようなので要チェック。

熱のこもらない快適なヘッドホンがほしい方には最良の選択肢の一つとなりえると思うヘッドホンです。




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