ハイブリッド型の利点と1DDとの比較 SE215&AONIC4

2020年7月12日日曜日

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ハイブリッドとダイナミックドライバの違い






前回ダイナミックドライバ一個で構成されたイヤホンの問題点を考察してみました。
まとめると

・5-6kHz付近に振動板由来の共振が発生する
・そのせいで基本的に中高音域が強くなるので、1DDはドンシャリかスカキンな音質になりやすい

ということでしょうか。

これを解決するための手法として、高音の明瞭感を犠牲に中高音域の音圧を落とす方法があるようです。
その代表的なものがE3000で高音域が若干弱めなのは其のためではないでしょうか。


この様に共振を無くすため技術的に弱くなってしまった中高音・高音を補うためにBAドライバを設定するのがハイブリッド型のような気がします。

実際ハイブリッド型ではこのような振動板の共振がなく、フラットな音質だと感じます。
閉管共振は同じ様に発生しますが、他に無駄なピークが発生しないのでシングルダイナミックドライバよりも見た目に平坦です。


手持ちに同メーカーの1DDとハイブリッドをたまたま持っていたので比較してみました。
SE215とAONIC4です。


SE215とAONIC4の比較










典型的な1DDのSE215と1DD+1BAのAONIC4。
この2つを周波数特性で見たときに音質の違いがよくわかります。

低音は似通っていますが特に5kHzの音圧がSE215だけ高く、そのほか高音域に改善が見られます。
これは振動板の共振が抑えられておりBAドライバで高音を補っていると考察します。


まとめ


見ていただいた通りハイブリッド型では振動板の共振が抑えられています。
シングルダイナミックではEX1000やA8000のような高級機でもこの共振は制御されていません。



この問題を解決できているのは私の知る限りではハイブリッド型とTWSのようなDACアンプ一体型のイヤホンのみです。

ただTECHNICSのEAH-TZ700は1DDですがこの問題がブレイクスルーされていると聞いていますので今度購入できたらしたいなあと思っています。


ここからは余談なのですがフィルターレスのEX1000とA8000は周波数特性が非常に似通っていますね。
低音が少しEX1000の方が弱いくらいでしょうか?
中高音の表現は似ているので1DDを設計した場合このような音質が結論になるのかもしれませんね。



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