SONY WF-1000XM4のレビュー

2021年7月2日金曜日

SONY WF-1000XM4 レビュー

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WF-1000XM4の音質





WF-1000XM4のレビューは長くなりそうなので【音質編】【ノイズキャンセル編】【まとめ編】の3つに分割してアップさせていただきます。

乞うご期待のほどを。



今回は音質編。

まず基本としてDSEEやイコライザなどの音質変化が大きい設定はOFFにしてあります。

接続は音質優先でiMacのAACを使用。

イヤーピースは付属のノーマル、再生ファイルはWAVが主体です。



ノイズキャンセル・アンビエントサウンド時の音質は強調感のある低音寄りのドンシャリ。

ノイズキャンセルOFFはフラットと呼んで差し支えない音質だと思います。



あまり参考にならない個人的な聴覚上の音圧


ノイズキャンセルON

重低音 ☆☆☆★

低音  ☆☆☆☆

中音  ☆☆☆

中高音 ☆☆☆★

高音  ☆☆☆



ノイズキャンセルOFF


重低音 ☆☆☆

低音  ☆☆☆★

中音  ☆☆☆

中高音 ☆☆☆

高音  ☆☆☆




周波数特性グラフ



ノイズキャンセルON・OFFの違い





個人的にはここは声を大にして主張したいところなのですが、ノイズキャンセル・アンビエントサウンドはOFFの方がフラットな音質だと思います。

ONにすると多分雑音にかき消されないためにでしょうが、低音と高音に強調感がでて少し不自然な音質に。

グラフをみていただいてもわかるように低音の強調感が特に大きいですね。




外耳道の長さによる音質の変化


このブログでは何度も取り上げましたが人間はカナルイヤホンを使うと外耳道で両端閉管共振を起こします。

その辺りの説明は以前のブログ記事をみてもらうとして、XM4はイヤーピースを浅めに装着する点から少し長めに音響管が構成されそうな点は注意。









日本人の平均値が30mmらしいので、音響管21mm(外耳道30mm想定)が多分ですが最も実際の音質に近いのではないかなと思います。

ハウジング共振のピークもみられず低音が少しきいたフラットと言える音質。


7kHzあたりからのディップで外耳道共振も抑え気味になっています。

WF-1000XM3はここが強めで派手で刺さるような音質だったので改善と言えると思います。




AirPodsProと比較








どちらも似通ったフラットな音質。

低音として認識される100-200Hzあたりが1000XM4のほうが量感があります。


逆に5-8kHzはAAPPのほうが量感が多いです。

2.5kHzもAAPPのほうが明瞭なので中高音・高音はAAPPが量感が強いといえます。

個性の差の範囲の違いですね。



WF-1000XM3と比較






WF-1000XM3のほうが全体的に高音が強くて荒い音で共振もきつい。

これは比較するまでもなくXM4のほうがフラットな音質ですね。

もう個人的にはXM3をおすすめすることは絶対にないです。



音質のまとめ



  • 余計なピーク感のないフラット音質
  • 低音の量感は少し強め
  • ノイズキャンセルOFFとONでは音質が違う
  • 少し浅めに装着したほうが癖が無い
  • WF-1000XM3とは比較にならない
  • AAPPとは好みの差



SONYの歴代ワイヤレスをすべて知っているわけではありませんが、個人的にはソニーTWSの中で最も高音質だと思います。

低音の響きもあり不要なピークも少なく誰にとっても良好と感じられやすい音質。

平均30mmと言われている日本人の耳道の長さに合わせてか、外耳道共振対策のディップが7kHz付近から始まっているので特に日本人には受け入れられやすいのでは。



音質を重視するなら個人的にはノイズキャンセルをOFFで使用するのが良いと思います。

低音の量感がフラットになり、高音の響きが改善するような気が。

付属のイヤーピースならばOFFでも十分な遮音性があり、不自然なノイズカットではないので耳へのダメージも少ないような気がします。



APPLE AirPodsProとの比較で言えば、個人的には全体的にフラットに感じられるAAPPの方が好みです。

ただ低音の量感はXM4が良いですし、ここは優劣というよりも個人差の範囲かと。

しかし日本製品をあのAAPPと同レベルと紹介できるのは感慨深いですね。



音質的な不満点を聞くことは本当に少ないXM4。

実際に今までの1DDイヤホンが抱えているハウジング共振の問題はみられませんし、外耳道共振も対策をとって抑え気味に聞こえるよう設計されています。

そのせいで若干高音が弱めに響くかもしれませんが、その分は低音の魅力でカバーしている印象です。


耳に合う合わないは別にして、XM4は今までのイヤホンの欠点を洗い出し、特に音質にこだわって作られているのが感じられる傑作だと思います。




余談


しかしTWSは音質がフラットで良いですね。

イヤホンの音質をコントロールするには、やはり物理的なアプローチだけではなくソフトウェア的な補正も必要なのかもしれません。


実際有線イヤホンでも共振のピークをまともに抑え込めているモデルはあまりないように思います。

どの機種とはいいませんが、鋭いピークは難聴に繋がるので正直せめて高級モデルはまともにピークコントロールされていると嬉しいのですけどね。




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