特徴
Technicsが2021年にリリースしたTWS2機種の内の一つEAH-AZ40。
上位機種のEAH-AZ60と違いノイズキャンセルを省き、振動板はバイオセルロースではない6mmのPEEK振動板を採用、残念ながらLDACにも対応していません。
そんなAZ40を購入する理由として最大のものとなるのが小型軽量や価格というポイントでしょう。
特に小型軽量は最大の長所なのは間違いなく、その上でこの機種はAZ60とは音質が大きく違います。
音質での差別化は十分に出来ているので試聴で気に入るのならAZ40を選ぶのも十分ありえる選択です。
付属品は4サイズのイヤーピース。
XS・S・M・Lの4種でAZ60の7種と比べると流石に見劣りしますが、SMLに加えてこのXSが付属しているのは非常に好印象。
TechnicsのTWSのユーザービリティの高さを感じます。
マルチポイントも一度使えば戻れないほど便利ですし、大手家電量販店でチェックした程度ですが接続性も問題ないレベルだと思います。
ソフトウェアも使いやすく、最近流行りのQCC3040を採用したTWSのソフトウェアが使えないという弱点もありません。
音漏れはほぼなく良好ですが、遮音性はそれほど高くなく普通。
遮音性だけはどうしてもANCを搭載した機種に敵わない部分ではあると思います。
ですが付いてて良かった的機能なのは間違いないです。
アンビエントサウンドだけはAirPodsProが突き抜けて素晴らしいと思います。
音質
ドンシャリというよりもう少し高い高音の音圧が強い、U字カーブといえる音質。
個人的には十分フラットで100Hz程の音圧が少し強い感覚です。
AZ60より高音が明瞭でその代わりその上の高音が弱い印象。
刺さる音は殆どなく良くコントロールされていると思います。
個人的な聴覚上の音圧
重低音 ☆☆☆
低音 ☆☆☆★
中音 ☆☆☆
中高音 ☆☆☆
高音 ☆☆☆★
ではここからは周波数のグラフを。
イヤーピースは純正のXSを使用で音響管17・19・21mmのデータを計測してみました。
仮想外耳道26mm・28mm・30mmでイヤーピース9mmの仮定です。
多分ですが外耳道が短い人に向けたチューニングと言えるのでは無いでしょうか。
30mm以降は7.5kHzあたりの共振が+10dB以上とかなり強いです。
4kHzあたりの刺さりが感じられる音圧は低めになっているのでそこは問題なさそうです。
全体としても±10dB以内にピーク・ディップが収まっているので十分に良い音質と言えると思います。
ただやはり7.5kHzが強いので、外耳道の長さによってはピーク感の強い刺さった音質だと感じられるのかも?
誤解を恐れずに言うとこの8kHz近辺の強いグラフはDT1770に少し似ているかもしれません。
もちろんスケール感みたいなものは劣ります。
まとめ
長所
・小型軽量
・音漏れ極小
・マルチポイント対応
・快適なソフトウェア
・アンビエントサウンド
短所
・ANCがない
まとめると短所の少ない本当に卒なくよく出来たTWSだと思います。
小型軽量であるということは買い物をコンビニで済ますようなお手軽さがあり、自然と装着に手が伸びる要素なのでは。
ここが絶対駄目と指摘できる要素がほぼなく、音質的にもAZ60とは棲み分けができていてこちらの方が好みの方もおられると思います。
もちろんやはりANCの不在は大きすぎるマイナス要素ではありますが、そこが気になる方へAZ60があるわけで2機種同時のリリースは大きい意味合いがあります。
一個だけしかTWSを持てないならやはりAZ60を押したい気持ちではありますが、ただこの小型軽量も捨てがたい要素であるのも事実です。
ZE3000などのANCがない機種も増えてきた昨今なので、是非AZ40も選択肢に加えてみてはいかがでしょう。
試聴で音が気に入れば過不足ない使い勝手のTWSであることは保証致します。
0 件のコメント:
コメントを投稿